鉄は吸収の良いヘム鉄を選ぼう!
貧血の予防に欠かせない鉄
鉄は、酸素を運搬する赤血球のヘモグロビンの材料になり貧血の予防に欠かせない栄養素です。
特に毎月生理がある女性の人は、男性よりも不足しやすいので十分に摂取する必要があります。
思春期の女子の場合、生理が始まると鉄の損失がどんどん増えます。
そうでなくても身体が大きく成長する成長期なので必要な栄養素の量は増えるので鉄の必要量も増えていきます。
運動部であれば、さらに必要量は増えますので思春期の女子は鉄不足になりやすいです。
運動をする時、特に長距離を走る場合には足の裏の血管を通る際に赤血球がダメージを受けてしまいます。
運動をする人は、鉄の消耗が運動をしない人よりも多くなります。
スポーツをする人は、特に意識して鉄を摂るようにしましょう。
鉄は貧血に良いイメージがありますが、他にも様々な働きがあります。
鉄はヘモグロビンの材料以外にも様々な働きがある
鉄は、赤血球に含まれるヘモグロビンの材料になり全身に酸素を運ぶ働きをしていますが、他にも様々な働きをしています。
鉄の最も大切な働きは、細胞中のミトコンドリアでエネルギーを作り出すことです。
十分な鉄がなければ、食べた物をエネルギーとして使うことができなくなります。
そうすると寝起きが悪くなったり、頭痛、肩こり、冷え、気分が落ち込む、イライラするなどの症状が出てきます。
さらに、鉄が足りていない状態が続くと脳内の神経伝達物質であるドーパミンやセロトニンなどを作ることができなくなります。
神経伝達物質が不足していると物覚えが悪くなったり、気持ちが落ち込んだりしてしまいます。
脳がしっかりと働く為にも鉄は不可欠な成分になります。
また、他にも鉄は抗酸化酵素の構成要素にもなっています。
ですので鉄が不足すると抗酸化力の低下を招いてしまいますので老化を早めてしまう原因にもなります。
ですが、鉄は過剰に摂取してしまうと活性酸素の発生源にもなりますし、臓器に鉄が沈着してへマクロマトーシスを引き起こしてしまいますので必要量を適切に摂ることが大切です。
へマクロマトーシスとは、体内の貯蔵鉄が異常に増加して、肝臓、皮膚、心臓、精巣などの臓器に鉄が沈着して臓器の障害を引き起こす病気で肝硬変、皮膚色素沈着、心不全、性腺機能低下症などを生じさせてしまいます。
サプリメントでの摂取にも十分に注意しましょう。
ヘム鉄と非ヘム鉄、医薬品は非ヘム鉄
鉄をサプリメントで摂る場合、原料がどのような鉄なのか、と言うことに注意するようにしましょう。
私たちが食べ物から摂取する鉄には、植物性の野菜などに含まれる非ヘム鉄と動物性の肉やレバーなどに含まれるヘム鉄があります。
非ヘム鉄の素材には、クエン酸鉄、グルコン酸鉄などがあります。
例えば、医薬品の鉄剤としてよく使われるフェロミアはクエン酸第一鉄です。
これは、鉄がむき出しの状態になるので胃や腸に負担をかけやすく、人によっては気持ち悪くなる場合もあります。
ヘム鉄は、非ヘム鉄と異なり鉄がむき出しになっていなくボルフィリンと言う分子にくるまれています。
なので胃や腸への負担が少なく副作用が起こりにくくなっています。
また、吸収率はヘム鉄の方が良く非ヘム鉄の5~10倍とも言われています。
不調の原因が鉄不足であることが明らかな場合は、病院で鉄の医薬品を出してもらうのが良いかと思います。
ですが、医薬品は非ヘム鉄の為、胃腸の調子が悪くなるなどして飲み続けることが難しくなることもあります。
その場合は、ヘム鉄のサプリメントを使うのが良い方法かもしれません。
鉄のサプリメントはヘム鉄が多く含まれている物を
医薬品の鉄剤は、非ヘム鉄が多く胃腸に負担がかかり、飲み続けること自体が難しくなる場合があります。
その場合は、サプリメントで摂る方がいいかもしれません。
でも気を付けなければいけないのは、市販のサプリメントも非ヘム鉄が主流だと言うことです。
中には、ヘム鉄を少し加えただけなのにパッケージ表示にはヘム鉄と書いてあるものが多いです。
ヘム鉄は、ほとんどが豚の赤血球を原料として作られていますが、鉄の含有量が低く1~2%程度しかありません。
小さな粒でたくさんの鉄が摂れるように表記してある場合、主な原料は非ヘム鉄と判断ができます。
それなら医薬品の鉄剤を使う方が安くて品質も信頼できるでしょう。
ヘム鉄が多く含まれている製品でなければ、サプリメントを使う意味のないと思います。
ですのでサプリメントで鉄を摂る場合は注意して選ぶようにしましょう。
ヘム鉄が多く含まれている製品を選ぶようにしましょう。
また、鉄はビタミンCやタンパク質と一緒に摂ると吸収率が高くなります。
もともと鉄は吸収率が良くありませんのでこれらの栄養素と一緒に摂るようにすると良いかと思います。
参考書籍⇒サプリメントの正体