国産食品の危険性

農薬残留基準値は勝手に変更される?そもそもデータは信用できるのか

残留基準値は勝手に変更される

お茶に溶けている農薬ネオニコ、本当は危険かもしれない国産食品

キレイな野菜は農薬まみれ、日本の残留農薬基準値は高い!?安全基準は密室で決定

フードファクターでは、日本人はお茶を1日に3杯(茶葉にして3g)飲むとしています。

では、1日10杯飲む人はどうなるのでしょうか。

ちなみに枝豆は1日1.7g、イチゴは5.4gです。
実はこの数字、2013年までは枝豆0.1g、イチゴ0.3gでした。
なぜか突然変えられたのです。
反対によく食べる小麦が半分に減らされました。

ほとんどの人は知らないと思いますが、この数字に一体どれほどの人が納得をするのでしょうか。
こんな基準で本当に残留基準値を決めていいのかと不安に思ってしまいます。

残留基準値を自分たちの都合の良いように変えているのではないでしょうか。

2015年に厚労省はクロチアニジンとアセタミプリドの残留基準値を大幅に緩和しました。
クロチアニジンは、カブの葉が0.02ppmから40ppmへと最大2000倍にもなりました。

さらにアセタミプリドも最大1000倍に基準値が引き上げられました。
残留基準値はADIの8割を超えないようになっているので、いきなり2000倍になるとは考えられません。

食品安産委員会で一体何が行われているのでしょうか。

ホウレン草には葉酸が多く含まれています。
40ppmのホウレン草を一束(210g)食べると8.4mgのクロチアニジンを体内に取り込むことになります。
クロチアニジンのADIは、体重1kgあたり0.097mgなので、体重55kgの妊婦であれば5.33mgで、これをオーバーしてしまいますし、厚労省が妊婦が食べても問題ないとした5.7mgも超えてしまいます。
それにも関わらず40ppmが安全であると言うデータは一切公表されていません。

一体なぜ厚労省がこんなに数値を引き上げたのでしょうか。

これについては、ホウレン草などで収穫前日まで農薬を使いたいから数値を引き上げて欲しいと農水省に申請があったからとも言われています。
まともな農家であれば、収穫前日まで殺虫剤を撒くことはできないのではないでしょうか。

普通であれば、殺虫剤の使用量を減らす為に使い方を見直すはずだと思うのですが、使用量を増やす為に見直すことは、あり得ないのではないでしょうか。

厚労省はこれについてパブリックコメントを募りました。
反対意見が多数寄せられましたが、意見はまったく考慮されず何もなかったかのように残留基準値を40ppmに決めました。
パブリックコメントとは一体何の為に行っているのでしょうか。

また、2016年にはチアメトキサムが2018年にはジノテラフランが緩和されました。
TPPに大筋合意して日本はアメリカの基準に合わせたのかもしれません。
残留基準値を2倍に緩めれば使われる農薬の量も2倍になります。

そして気付いたら日本は中国を抜いて世界一の農薬大国になろうとしているのです。

ネオニコチノイドが水道水からも

水道水

私たちは、普段からお茶や野菜から農薬を摂取しています。
実は、もう一つ重要な汚染ルートがあります。
それが水道水です。

農薬の成分が全国の河川からも検出されるのは専門家の間では常識ですが、国民のほとんどはこの事実を知りません。

例えば、神奈川県の河川のネオニコ系農薬の濃度を東海大学地球環境ネットワークと共同で調査した東海大学医学部の坂部貢教授と寺山准教授らによると、6、7月の数値が高く、6月の最大値はイミダクロプリドの0.836ppb、7月はアセタミプリドの0.779ppbと言う数値でした。

論文には、水生生物の毒性試験から定めた環境中予測濃度が送付されています。
水質汚濁による水生生物へのリスク評価を計算によって求めた数値のことですが、これによるとイミダクロプリドが1.0ppbでアセタミプリドは1.1ppbなのでかなりきわどいと言えます。
(1ppbは10億分の1)

寺山氏は「雨の日の次の日は、環境省の基準値を超えてしまいます。川の上流に水田やゴルフ場が多いところはでやすい」と言います。

雨は表土を流れて来るので簡単に10倍くらいは超えるようです。
これは何も神奈川県だけの話ではありません。

田畑やゴルフ場、最近では松食い虫対策として殺虫剤、森林の下草刈りの代わりにドローンで除草剤を撒く地区が増えているので日本の多くの河川から農薬が検出されます。

ネオニコによる河川の汚染は、全国に広がっていると言えます。

水道水からネオニコが河川とほぼ変わらない濃度で検出されたと言う調査データがあります。
水道水の検査項目には農薬類が100種類以上ありますが、ネオニコはなぜか検査項目にはありません。

厚労省によるとネオニコチノイド系農薬に関する水質調査義務は法令上ないようです。
なので水道水がネオニコに汚染されているかどうかは分からないとのことのようです。

田畑にネオニコを撒いたら作物に吸収されると思うかもしれませんが、農作物が吸収するには一部であり、残りは大気中に拡散し大半は土壌にとどまります。

土壌中に残った農薬の半減期は種類によって異なります。
有機リン酸系の農薬であれば数日から数週間ですが、ネオニコは数ヶ月から3年4ヶ月と長期間分解されないで残ってしまいます。

この期間に雨が降れば、水溶性のネオニコは地下水に浸透して河川に流れ込むので、地下水は汚染され続けることになります。

河川から農薬が出ても浄水場でキレイにできるのでは?と思うかもしれませんが、ネオニコは分子量が小さいので通常の浄水場の処理施設では除去ができません。

確実に除去するには紫外線照射であり、東京の隅田川のように汚染が酷いところは行っているそうです。
ですが、そのような施設がない地区の住民は水道水からネオニコを摂取していることになります。

残留基準値のデータってそもそも大丈夫なのか、人体への影響

循環器系解剖イメージ

お茶から検出されるネオニコの中で多いのがジノテラフランです。

東京女子医大の平久美子医師によると「アセタミプリドやイミダクロプリドをたくさん使って医師が診断できるくらいの中毒患者が出たので農家も良くないと察知をし、ジノテラフランを使うようになった」とのことです。

ジノテラフランは、アセタミプリドに比べると殺虫効果が弱いのでどうしてもたくさん撒く必要があります。
お茶からジノテラフランが検出されると言っても最大で3.004ppmで、EUなら廃棄処分になるのですが日本の残留基準値は25ppmなので安全と言うことになります。

では、本当にこの基準値を守っていれば安全なのでしょうか。

ネオニコが昆虫への毒性を発揮するアセチルコリン受容体は人間にもあります。
なので脳神経にどんな誤作動を起こさせるか分かりません。

ネオニコチノイド系農薬と自己免疫疾患や発達障害との関係は、ほとんど調べられていません。

残留基準値やADIは、食品安全委員会の農薬評価書を基に決められます。
そもそもそのデータって本当に大丈夫なのか?と思っていいても検証をすることができません。

農薬の毒性試験は農薬製造会社が行っています。
そのデータはほぼ非公表で私たちは見ることができません。
ですので、どんな実験をやったのか、どうしてこんなデータが出たのかが分からない状態なのです。

農薬は人間の口に入ることが前提で安全性の基準がしっかりとしていないはずです。
ところが農水省の外郭団体が出している農薬抄緑を見てみると肝心のデータが消されて白抜きになっていて読むことができません。

また、農薬メーカーが食品安全委員会などに出した書類は基本的に公開されていません。
これは知的財産権を守る為らしいのですが、知的財産を守って私たちの命は守られないと言うことでしょうか。

そして、食品安全委員会は自分たちが指定した研究報告でないと採用をしません。

OECD基準やGLP基準に従った研究でなければ採用をしないのです。
OECD基準と言うと権威がありそうに感じますが、これが実に古い方法なのです。

テストガイドラインに426号と言うものがあります。
これは化学物質の発達神経毒性を調べる為に特化した試験法のガイドラインですが、これが凄く単純な試験なのです。
例えば化学物質を子供のマウスに曝露して体重を測る、脳の重量を測る、スライスした脳を染色して大まかな形態異常がないか、歩行はおかしくないか等です。
簡単な学習検査もやれとは書いていますが、これについては具体的に詳しく書かれていません。
これのような試験法では、発達障害のようなものを検出することができません。

この方法であれば、手間がかからないので費用もかからないのでしょう。

農薬は食べても安全な基準が決められているので規則を守っていれば大丈夫だと思っているかと思います。
急性中毒や発ガン性などについては安全と言えるかもしれませんが、神経毒性については当てはまらないと言えます。

農薬と医薬品の違いは人での安全性を確認していない

白衣を着ている男性困る

農薬と医薬品も化学合成物質なので人間にとっては毒になります。

では、農薬と医薬品との違いはどこにあるのでしょうか。

大きな違いは、農薬は人での安全性を確認していないことです。

医薬品は市販する前にフェーズ1からフェーズ3まで何度も人間で安全性を試験しています。
それでも薬害は出ます。

農薬も人間が摂取することが前提で作られています。
それにも関わらずにラットなどで試験をしただけで、人での安全性を直接確認せずに売られています。
私たちは、知らずに膨大な数の人体実験をさせられていると言えます。

学術論文で異常な結果が報告されたのであれば、検証するなり確認をするなりなぜしないのでしょうか。

現行法の無毒性量を1回マウスに投与するだけでも、様々な行動異常が確認されています。
毒性がある農薬が人間で調べないままで市販されていると言うことを真剣に考えないといけないでしょう。
何かが起きても泣き寝入りになってしまいます。
動物実験で単体の農薬の毒性を調べることはできますが、それを人間で証明するのは不可能です。

国が定めている基準値自体信用できないので私たちは、自分の身は自分で守るしかないと言えるのです。

参考書籍⇒本当は危ない国産食品