農薬残留基準値を日本は大幅に緩和、モンサント賠償金、日本は農薬のゴミ捨て場にされる

裁判でモンサントに賠償金が課せられた

神経伝達を攪乱するグリホサート、除草剤耐性と害虫抵抗性

グリホサートを含むラウンドアップは、これまで「食卓塩よりも安全」などと言った宣伝で大量に使われてきました。

ですが、2015年WHOの外部研究機関である国際ガン研究機関が「グリホサートはヒトに対しておそらく発ガン性がある」とし、発ガン性リスクを五段階のうち二番目に高い危険度で示したのです。
これに対して、欧州食品安全機関や米国環境保護庁は発ガン性を否定しました。
混乱状態が続きましたが、2017年にカリフォルニア州がグリホサートを発ガン性物質のリストに加えるとその流れが変わり始めてきました。

2019年には、発ガン性を否定した欧州食品安全機関が再評価を行うと発表しました。
さらにアメリカ健康福祉社の有害物質・疾病登録局がグリホサート曝露と「非ホジキンリンパ腫」の関係は否定できないと発ガン性を認めました。

そして、訴訟の流れも変わりました。
末期の非ホジキンリンパ腫と診断された学校用務員のドウェイン・ジョンソン氏が2016年、原因はかつて校庭整備の仕事で使っていたラウンドアップにあるとしてモンサントを訴えました。

2018年に開かれた裁判で同社に約2億9000万ドルの賠償金が課せられました。
翌年には、別の裁判で約8000万ドル、その2ヶ月後に約20億ドルの賠償金の支払いを命じられドミノ倒しのように敗訴しています。

この裁判に強い関心を持ち、アメリカに行きジョンソン氏や弁護団に会ってきた元農水相の山田正彦氏はこのように言っています。
「本人への賠償金は約4000万ドルでしたが、悪質かつ詐欺的な行為に対する懲罰的賠償金と言うことです。裁判で大きかったのは、モンサントの内部機密文章が出てきたこと。向こうの弁護士から資料を全部提供すると言われて見せてもらいました。そこには、ラウンドアップの危険性を研究していたフランスのセラリーニ教授に対する学術論文の取り消し工作やラウンドアップがガンを引き起こす可能性をモンサントが数十年に渡って認識をしていたこと。ラウンドアップの安全性を証明するのに社員が論文をゴーストライトし、お金を払って外部の学者の名前で発表をしていたことなどが書かれていました。これをきっかけに次々と裁判が起こり今では5万件を超えています。」

現在、この裁判で提出された内部資料のうち、機密解除された文章はモンサント・ペーパーとして公開されています。
それを見るとグリホサートの安全性テストは、グリホサートだけで行いラウンドアップでは行わなかったことを認めるなどの内容です。
モンサント裁判は今も続いています。

2020年6月、親会社であるドイツのバイエルは、裁判中の三件を除く原告の大半と109億ドルで和解に合意したと発表しています。

ですが、訴訟で問題にされたラウンドアップの発ガン性については責任を負わず、今後も販売を継続すると言うことです。

何故か日本が残留基準値を大幅に緩和

白衣を着ている男性困る

これらの裁判と前後してワシントン大学の研究チームはグリホサートにさらされるとガンリスクが41%増大すると学術誌に発表をしました。
ラウンドアップの危険性が認知されていくにつれて、EUや北欧、ロシア、スリランカ、タイなどがグリホサートを輸入禁止にしたり、あるいは使用規制を強めたりする国が相次ぎました。

ですが、日本は大幅に緩和しています。
2017年のクリスマスの日、ひっそりと農産物のグリホサート残留基準値を大幅に引き上げました。
特に目立ったのが、パンやパスタに使われている小麦やトウモロコシ、そばです。
改正前と比べて小麦が6倍、トウモロコシが5倍、そばが150倍になっています。

そばは、中国産が多いと思われているかもしれませんが、実は2018年度で全体の約16%をアメリカから輸入しています。
残留基準値は科学的根拠のあるADIを元に出されているので、そう簡単には変えられません。

そしてこの前年、食品安全委員会で巧妙に操作がなされています。
それまでADI 0.75ppmを1ppmに引き上げたのです。
EUは半分の0.5ppmです。

日本人はヨーロッパの人たちよりもグリホサートに耐性があると言うことなのでしょうか。
これによって厚労省は残留基準値を引き上げています。

この緩和でどれだけグリホサートを摂取するか試算されていますが、それによると一般人は小麦から46%、大豆から20%を摂っていることになるようです。

水道水は農薬に汚染されている

水道水

ラウンドアップもネオニコと同じで雨が降ると河川に流れ、そして水道水に流入してきます。

ですが、日本では水道水に残留するグリホサートの基準値がありません。
目標値しかないのです。
その数値も2ppm(mg/L)と他の農薬に比べて圧倒的に高いです。

例えば、よく使われるパラコートと言う農薬がありますが、これは0.005ppmです。
グリホサートはこれよりも400倍も緩いのです。

グリホサートは「ヒトに対して恐らく発ガン性がある」とされたのになぜこんなに緩いのでしょうか。

グリホサートの基準値は、EUでは0.0001ppmです。
2ppmと言う数値は、世界最悪と言われる数値です。
なのに厚労省ではこれを3ppmに引き上げる案があったそうです。

一体何の為に引き上げるのでしょうか。

さらに水道水から検出される農薬はグリホサートだけではありません。
目標値の1%以上検出された農薬だけでも2~8種類もあります。
しかし、複合汚染による影響は調べられていません。
日本の水道水は、ラウンドアップの成分がEUの2万倍溶けていても飲むことができます。

アメリカは比較的緩いですが、それでも0.7ppmです。
EPA(米国環境保護庁)は、これを超えると腎臓障害、生殖困難を引き起こすと警告をしていますが、日本はこの3倍近くも緩いのです。

グリホサートの熱分解温度は200℃近いですので沸騰させてもグリホサートは消えません。
これまで日本の水道水は安全でおいしいと言われてきましたが、実際は農薬に汚染された水になっているのです。
日本では、グリホサートを学校や公園、家庭菜園などの雑草駆除に何の疑いもなく使っていると言うことです。

では、なぜ日本は世界と逆行して農薬の残留基準値を上げているのでしょうか。

東京大学大学院の鈴木宣弘教授によると「日本はアメリカの要求を受け入れることになっている」からと言います。

「残留基準値がいきなり6倍とかになるはずはなく、食品安全委員会が審査しているとは到底思えません。これは初めから結論ありきで、アメリカからの要請に応えているのです。アメリカから農薬や添加物に関する要求はたくさんあります。その要求のうち次は何を出すか、その順番を決めるのが日本の外交戦略なのです。モンサントはアメリカの政権に強い影響力があります。世界中がラウンドアップを制限する中で儲けるには残留基準値を上げるしかありません。それに応えているのが日本だけなのです。」

これまで遺伝子組み換えではない材料を使えば、「遺伝子組み換えでない大豆で作っています」と表示ができました。

ですが、2023年4月1日から実質的に「遺伝子組み換えではない」の表示は不可能になります。
これもアメリカからの要求があって決まったと言われています。

また、食品安全委員会は、2003年に農水省から独立させると言うことで設立されました。
なのに歴代の食品安全委員会事務局長に農水省の職員が就いています。

これは一体なぜなのでしょうか。
食品安全委員会は誰の為に存在しているのでしょうか。

国民のほとんどは、農水省の職員が農薬会社の関連組織に天下りしていることを知らないことでしょう。
規制をする側が規制を受ける側に雇われて公平さが担保できるとは思えません。
だから国民からどんなに反対があっても残留基準値を簡単に緩めてしまうのではないでしょうか。

上流で農薬の残留基準値を緩めて病気の原因を作り、下流では医療費が足りないと大騒ぎしている。
これは完全にマッチポンプでしょう。
こんなことをやっていると日本は、世界中で使われなくなった農薬のゴミ捨て場になってしまうのではないでしょうか。

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