農薬の複合毒性については分かっていない、毒性が100倍になることもある

複合毒性については何も分かっていない

農薬一種類なら基準値以下でも食べた農薬類が複数あると人間の生理を変えてしまうこともあります。
また、単品では発ガン性がないのに複数に曝露すると発ガン性を発揮することもあります。
これが複合毒性です。

複合毒性に関しては、毒性試験は行われていませんし残留基準値もありません。
複合毒性には、農薬を製造する為に混ぜられた複数の化学物質による毒性と、食品等を通して複数を摂取することによる毒性とがあります。

例えば、ネオニコ系のダントツ水溶剤を見ると有効成分クロチアニジン16%と書かれています。
残りの84%については何も記載されていません。
お菓子などの加工食品のパッケージを見ると原材料名として素材だけでなく添加物等も詳細に記載されていますが、農薬は主要成分だけなのです。
おそらく界面活性剤など様々な添加物等が加えられているかと思います。
ダントツ水溶剤で複合毒性と言えば、主成分のクロチアニジンの毒性だけでなく、これら添加剤を合わせた毒性のことになります。
この複合毒性について神戸大学の星信彦教授はこう語っています。

「農薬の毒性検査と言いながら、通常原体(主要成分)の親化合物しか調べていないことが問題です。化学物質は生体内で分解されて複数の代謝産物になります。その中には親化合物よりも毒性が強いものもあります。1足す1足す1は3程度ならいいのですが、それが10にも100にもなることがあります。ですが、これが農薬では調べられていません。発ガン性もそうです。単品では発ガン性がないのに混ざると発ガン作用が出るものもあります。農薬だけでなく化学物質全般がそうなのです。農薬が化学物質であるということを認識していれば調べてもいないのに万全だとは言えないはずです。」

農薬の世界では、主要成分1種類だけで試験が行われます。
添加物は企業秘密だからだそうですが、医薬品なら1成分だけで臨床試験をすることはあり得ません。
なのに農薬ではそれが普通になっています。

複合毒性については、現在進行形で私たち自身で人体実験をさせられていると言えるでしょう。
昔の農薬は特定の作物だけに使っていたのでその基準を決めればよかったのですが、今では用途も様々です。
複数の作物にも使われているので体内で複合汚染が起り、濃度が高まっています。

例えば、お茶やお米、野菜などに使われるネオニコなどの農薬は、個別の品目では基準以下でも体内では一緒になってしまいます。
なので合計すると1品目の基準を超えてしまいます。
複合汚染の安全試験をしたら今の基準値は変るのではないでしょうか。

パン、パスタなどの小麦製品には除草剤

レーズンパン

2017年度の日本での農薬の国内出荷量によるとグリホサートが多いです。
グリホサートは、有機リン酸系の3倍以上出荷されています。
近年、複合毒性が明らかになってきた農薬になります。
これはベトナム戦争で使われた枯葉剤を作った世界最大のバイテク企業モンサント(現在は買収されてドイツのバイエル傘下)が開発した除草剤ラウンドアップの主成分になります。

ラウンドアップは非常に強い除草剤です。
雑草だけでなく、あらゆる農作物を無差別に枯らす猛毒になります。
それでモンサントは、この農薬に耐性を持つバクテリアの遺伝子を大豆などの種子に組み込みました。
そうすれば、ラウンドアップを上空から撒くと雑草が消えて、耐性のある遺伝子を組み込んだ大豆だけが残るのです。

モンサントは、この農薬とラウンドアップ耐性の遺伝子組み換え(GM)大豆をセットで売ると言うビジネスモデルで成長した企業です。
ラウンドアップの特許が切れても収益が確保できるのです。
こんな農薬私には関係がないと思うかもしれませんが、日本人の尿を調べるとネオニコだけでなく、多くの人からグリホサートが検出されると言われています。

なぜなのでしょうか。

ラウンドアップ耐性のGM大豆も原因なのですが、圧倒的に多いのが小麦粉です。
パン、てんぷら粉、パスタ、シリアルなどの小麦製品の5割からグリホサートが検出されるようです。

小麦は遺伝子組み換えではないのになぜ?と思うかもしれません。
信じられないかもしれませんが収穫前にラウンドアップを撒いて小麦を枯らしているからです。
こうすることで自然に枯れるのを待つよりも効率がよく収穫量もよくなります。
この方法をプレハーベストと言いますがカナダ産の小麦には、ほぼ全てからグリホサートが出るようです。

数年前からはオーストラリア産小麦からも検出されています。
収穫前にラウンドアップを撒くのは小麦だけでもなく、大麦、豆類、ヒマワリ、ジャガイモなどもそうです。

元農水省の山田正彦氏は、農水省は10年ほど前から米国などから輸入される小麦のほぼ全てからグリホサートが検出されることを把握していたにも関わらず小麦商品の調査すらしなかったと言います。
これは、消費者のことなどどうでもよく効率よく儲けると言う企業の論理が最優先されているからでしょう。

グリホサートを含む遺伝子組み換え食品を避けたい場合、遺伝子組み換えではないと書かれた商品を選ぶといいでしょう。
ですが、遺伝子組み換えと表示する義務がない食品が多く、私たちは普段から気付かないでグリホサート入りの食品などを大量に食べているのかもしれません。

安全性試験はごまかしている!?

統計データイメージ

グリホサートが主成分であるラウンドアップやラウンドアップ耐性GM作物は、どうやって安全性の試験をパスしているのでしょうか。

モンサントがラウンドアップ耐性の遺伝子組み換え大豆を日本で販売する為に申請をしたのは1996年です。
ですが、河田氏は2000年から複写も撮影も不可だった5000ページにも及ぶ安全審査申請書を1年半かけて読み解くうちに不思議なことに気が付いたと言います。
ラウンドアップ耐性大豆の申請なのに動物実験で使ったエサや主成分を分析するのに使ったのはラウンドアップを用いずに栽培した大豆であったとのことです。
急性毒性の試験はしているのですが、これもGM大豆ではなく大腸菌から作ったタンパク質を食べさせている。
アレルギーの危険性があるかどうかを調べる動物実験もしていない。
日本語の要約版では、そんなことは一つも書いてありませんでした。
ラウンドアップそのものも、その安全性に関する試験はラウンドアップではなく主成分のグリホサートで行っていました。

なぜ製品のラウンドアップで試験をしないのでしょうか。

河田氏がその理由を知ったのは16年、アメリカでモンサントを相手にラウンドアップの発ガン性が争われた訴訟からです。
提出されたモンサントの機密書類にこんなことが書かれていたそうです。

ラウンドアップを開発した責任者がグリホサートとラウンドアップを同じ意味で使用してはいけません。例えば「ラウンドアップは発ガン性物質ではないと言ってはいけない。だからグリホサートを使った除草剤全てにラウンドアップの商品名を使用することはできません。必要な試験を行っていません。」

と言うことを社内メールで書いているのです。
開発者たちは開発当初からラウンドアップは危険だと知っていたと言うことでしょう。

ラウンドアップで腎臓と乳腺に腫瘍

純粋なグリホサートは草を枯らすことができないと言われています。
なぜならグリホサートは水溶性で脂質が主成分の細胞膜を通過できないからです。
そこである種の界面活性剤などを添加して細胞膜に浸透するようにしたのがラウンドアップです。
まず界面活性剤などの添加剤で植物の細胞膜を破壊して添加剤と一緒にグリホサートが細胞内に入って植物の生命活動を止めさせて枯れさせる仕組みです。

おそらく、ラウンドアップもグリホサート単体ではそれほど強い毒性がないので安全性に関する試験をクリアすることができたのではないでしょうか。

環境脳神経科学情報センターの木村、黒田純子氏はこう語っています。

「農業の安全基準を決める毒性試験では、実際に使われている農薬剤ではなく、基本的に原体で調べられています。製剤が調べられることも稀にありますが、基本的に原体です。ラウンドアップなど農薬製剤は界面活性剤など色々混ぜていますが、何を混ぜているのかは企業秘密なので分かりません。完成品のラウンドアップは有効成分のグリホサートより100倍以上毒性が高いことがあると複数の研究者が報告をしています。ネオニコなどの他の農薬でも同じことが報告されていますが、おそらく添加剤によって毒性が強められているのです。」

残留基準値のベースとなるADI(1日摂取許容量)は、食べても毒性が出ない無毒性量を動物実験で調べて、安全の為にその数値を100分の1にしたものです。
ですが、毒性が100倍も高くなるのであれば、ADIも残留基準値も安全とは言えません。

複合毒性の危険性に気が付いたフランスのカーン大学のジル=エリック・セラリーニ教授は、GM大豆の他にグリホサートではなく、その製品であるラウンドアップを米国人が生涯に摂取する量に換算してラットに2年間与える実験をしました。
2年間はラットの生涯に相当する期間です。
その結果、実験を始めて4ヶ月目にラウンドアップを与えたグループは、オスの腎臓に腫瘍ができました。

これはラウンドアップを水道水から検出されるのと同じ0.1ppm溶かした水を与えたグループとラウンドアップを使って育てたGM作物を与えたグループです。
ラウンドアップを与えなかったグループと比べてみると両グループとも1年経ったら明確な違いが出ました。

メスは、乳腺に腫瘍ができて、体重の25%にも及ぶ巨大な腫瘍ができたラットもいました。
そして、中性脂肪も増加していました。

オスは腎臓や肝臓に障害が顕著に出ました。
モンサントが行った3ヶ月の試験でも肝臓や腎臓に障害の兆候が出ています。
これは臓器の解毒処理能力を越えた毒性があると言うことです。

もちろんラウンドアップを与えなかったグループにも腫瘍はできましたが、ラウンドアップを与えたほうは腫瘍の数が2~3倍もありました。
モンサントの試験でもグリホサートの試験はしていてもラウンドアップの長期試験はしていません。

ラウンドアップの毒性はグリホサートだけが原因ではなく、グリホサートに毒性が強い何かが添加されていると言うことです。

セラリーニ氏は、ラウンドアップに添加された界面活性剤を使って実験もしています。
界面活性剤の毒性は、グリホサートの1000倍だったそうです。

添加剤が問題になってから急性毒性試験は行っているようですが、慢性毒性については行っていません。
少なくとも公表されている論文は1つもないようです。

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