アレルギー疾患などの免疫疾患は農薬が原因かも?ごくわずかな量でも作用する可能性

ネオニコによる不妊リスク

お茶に溶けている農薬ネオニコ、本当は危険かもしれない国産食品

環境省によると2020年9月時点で推定458羽のトキが野生で暮らしているとのことです。
農薬の毒性について長年研究を続けてきた神戸大学の星信彦教授によると農薬がトキの繁殖能力に直接影響を与えている可能性があるとのことです。

天然記念物で実験をするわけにはいかないのでウズラで実験を行いました。
水田で使われるクロチアニジンと言うネオニコチノイド系農薬で実験をしました。
鳥の無毒性量は誰も調べていないので、ラットの無毒性量を参考にさらに3分の1から3000分の1の量を6週間与えました。
その結果、オスの精巣を顕微鏡で見てみるとDNAが壊れていてたくさんの細胞が死んでいました。

私たちは酸素がないと生きていけませんが、普通に呼吸するだけでも活性酸素が作られます。
生物にとって活性酸素は猛毒で遺伝子を傷つけます。

私たちの身体には、活性酸素から守る為に抗酸化酵素と言うものがあり、この酵素によって体内を活性酸素から守っています。
ですが、ネオニコを投与すると抗酸化酵素が著しく減少をするのです。

抗酸化酵素が減少すれば、活性酸素の影響を受けやすくなり、生殖細胞に影響が出てしまったと考えられます。
活性酸素は細胞のガン化を促進する元凶とも言われています。

放射線を浴びてガンになるのは、放射線がDNAを壊すだけでなく、体内の水を活性酸素に変化させてDNAを傷つけると言われています。
もちろん修復遺伝子が働いて修復をしますが、傷が多過ぎると追いつかなくなってしまいガン化していくことになります。

ネオニコが抗酸化酵素を減少させることが、もし人間にも当てはまるとしたらガンだけでなく健康への影響も大きいと言えるのではないでしょうか。

さらにネオニコの影響が出たのはオスだけでなく、メスにも影響していました。
メスには卵の中の赤ちゃんを育てる為のホルモンを出す細胞がりますが、これが死んでしまいます。
その結果、産卵率が下がります。

星氏は、ネオニコがトキの繁殖能力に影響を及ぼしていたことに衝撃を受けたそうです。
それもごくわずかな少量で不妊になっていたのです。

トキに野生復帰を島作りに活かそうと考えていた佐渡市は驚き、それまで使っていた農薬を減らそうと決断をしました。

当時、環境省の首席自然保護管として佐渡にいた長田啓氏はこう言っています。
「兵庫県の富岡氏がコウノトリを野生復帰させる時、水田の何割か無農薬にすると言う高いハードルを設けました。

佐渡氏では、いきなり無農薬・無化学肥料ではハードルが高すぎると言うことで農家が取り組みやすいように農薬と化学肥料を5割減にすることからスタートしました。そして、そのいずれかを満たせばトキの認証米として販売できる仕組みを作りました。もちろんそれだけでなく、水田に魚道をつけるとか、ビオトーブの設置、冬期でも湛水して生き物を育む農法などを導入して環境を整えるといった努力をしました。今はJA佐渡でネオニコチノイド系農薬は取り扱っていないはずです。」

そして、2012年ようやく自然の中でトキのヒナが誕生します。
その翌年はネオニコチノイド系農薬の使用がほぼゼロになったといいます。

アレルギー疾患は農薬が原因?

咳をする女性

星氏の研究は、病気と化学物質の関係に向けられていて現代病の多くが農薬に繋がっています。

例えば、ネオニコチノイドは肥満を増やすと星氏は言っています。
実際にそれを示す実験結果があると言います。

ネオニコを投与したら腸内細菌叢がどうなるのかと考えてラットにクロチアニジンを28日間投与してみました。
すると無毒性量でも明らかに変化が見られてその10倍だと大きく変わったようです。

人間の腸には1000兆個とも言われる腸内細菌がいます。
免疫細胞の7割程度が腸内にあるとされていて腸内細菌叢がそれを活性化しています。

クロチアニジンを投与したら腸内細菌叢はどう変化するのか実験をしました。
その結果、農薬評価書にある無毒性量以下なのに腸内細菌叢が変わりました。
自己免疫疾患やアトピー性皮膚炎などの免疫疾患は、もしかしたら腸から来ているのかもしれません。

腸内細菌叢を失ってしまうことは、肝臓や腎臓を失うなどに等しくなります。
無菌室の中にいない限り、いずれ死んでしまうことになるかもしれないと言われるほど腸内細菌叢は私たちにtって重要な役割を果たしています。

腸内細菌叢の重要な役割が免疫の提供であるので、腸は最大の免疫器官とも言われています。
この腸内細菌叢が変化すると言うことは、私たちの免疫が変化する可能性があると言うことになります。
さらにこの実験では炎症を抑える善玉菌が減ったとのことです。
炎症を抑える菌が減ってしまうとアレルギーが増えていきます。

腸内免疫系の一番の重要な役割は、敵と味方を見分けることです。
自己免疫疾患やアトピー性皮膚炎、花粉症が増えているのは、腸内細菌叢が変わってしまい敵味方が分からなくなり、それで自分の細胞を攻撃しているからだと考えることができます。

農薬が残っている作物を食べると敵味方分からなくなり自分の細胞を攻撃したり反応しなくてもいい細胞に反応したりて炎症が起こる可能性があります。
そして、消化管不良やガンになっているのかもしれません。

また、腸内細菌叢が変化して腸の免疫がおかしくなってしまうと、それが脳に影響を及ぼしてしまうことも分かってきているようです。

脳のミクログリアが活性化して、脳に炎症を引き起こします。
白血球が脳に侵入できるのは、病気やケガなどで血管が損傷した時だけです。
普段は、脳内で免疫防御をしているのがミクログリアです。
これが活性化すると脳に炎症を起こすと言われています。

農薬が肥満の原因になっているのかもしれない

昔に比べて日本人のアレルギー疾患や自己免疫疾患が増えています。
なぜここまで増加したのでしょうか。

もしかしたら、これまで安全と言われてきた超低濃度による腸内細菌叢の変化が原因かもしれないのです。
先ほどのウズラの実験でウズラにネオニコを与えると不妊の原因になるだけでなく、肝臓を調べると脂肪が増えてフォアグラのようになっていたそうです。

肝臓でも抗酸化酵素が減って脂肪が排出されなくなったからでしょう。
ネオニコは肥満と同時に脂肪肝の原因になる可能性があります。

お茶の残留農薬を調査した北海道大学の池中良徳准教授によると海外でもネオニコで肥満になると言う研究があるとのことです。

無毒性量の100分の1と言うわずかな量のイミダクロプリドを高脂肪食と一緒にマウスに食べさせました。
高脂肪食なので当然脂肪が増えるのですが、イミダクロプリドはそれを助長させます。
体重増は1.5倍なのでかなりの増加量です。

私たちは脂の摂り過ぎで肥満になると考えられていましたが、農薬がブースターのような働きをしているのかもしれないのです。

ネオニコが残っている野菜と一緒にハンバーガーを食べると動物性脂肪との相乗効果でされに太ることになると考えられます。
国民の3割が肥満と言われている現代に農薬がそれを助長していると言う実験結果とも言えるのかもしれません。

農薬は安全と言われている無毒性量以下でも影響が見られることが大問題です。
ごく少量でも影響が出ると言う事実が明らかになってきています。

ネオニコに関しては、無毒性量の基準を改めないとダメではないでしょうか。

安全の指標である無毒性量が信頼できないのであれば、安全の根幹が崩れることになります。
つまり、農薬の残留基準値も当てにならないと言うことになります。

感受性は10000倍も違う

統計データイメージ

その一方でこう言うデータを示しても「うちの息子は普通の野菜を食べているが何の問題もない」と必ずこう言ってくる人がいることでしょう。
これは化学物質の毒性は感受性によって違うことを考慮していないのです。

無毒性量の100分の1がADI(1日摂取許容量)で、さらにその100分の1が農薬の残留基準値です。
つまり10000万分の1にしているのだから大丈夫と厚労省や農薬会社は言うのです。
しかし、星氏はこう言います。

「私は長いことダイオキシンの研究をしてきましたが、ハムスターとモルモットでは感受性が10000万倍違います。人間の感受性も人によって大きく違います。典型的なのが、新築住居で頭痛やめまいなどの症状を起こすシックハウス症候群です。お父さんやお子さんは何ともないのに、ホルムアルデヒド等に感受性の高いお母さんはたいへん苦しむ、と言った場合があります。このような人が10000万人に1人はいるのに、誰も感受性のことは調べていません。感受性が違えば安全性の基準が崩れます。一番怖いのは統計的に判断がされることです。私たちは、100匹に1匹でも1000匹に1匹でも異常な症例があれば問題視します。でも10000万人に1例しかないような症例では統計学から言えば関係ないとされてしまいます。」

また、それだけではなくおそらく特異体質だったんじゃないの?と個人の責任に転嫁されかねないのではないでしょうか。

だからと言って農薬との因果関係を証明しようとしても原因を特定するのは非常に困難です。
水俣病など四台公害病では、その原因物質がどこにあるかははっきりしていたが、それでも人権を無視したような長い裁判が続きました。
農薬だと発生源すら分かりません。

ネオニコによる発達神経障害の研究は進んでいますが、厚労省や農薬メーカーの反応は鈍いです。
これは問題が起こっても解決に時間がかかることが分かっているからではないでしょうか。

国立環境研究所の前川文彦主任研究員は、ウズラを使って生まれる前の発生段階にネオニコがどんな影響を与えるのかを実験。
ウズラは約18日で卵からかえります。

そこで受精卵のごく初期にアセタミプリドを投与して16日目にどんな影響があったかを観察しました。
その結果、投与したヒナは投与しなかったヒナに比べて身体がずいぶん小さかったそうです。
全体として体重が減少して脳の重量も減っていたのです。

日本の低体重新生児の出生率は増加傾向にあります。
先進国の平均は6.6%(2013年)ですが、2000年の8.6%から2013年には9.6%になり34カ国中トップと言うのは異常ではないでしょうか。
ただ影響は固体によって大きく異なり農薬の影響には、個体差があります。

また、アセタミプリドよりも顕著に影響が出たのが、イミダクロプリドです。
脳の重量低下だけでなく、顔面形成に異常を示す固体がいました。
くちばしがなくなっていたり、片目がなかったりした固体もいたようです。
不思議だったのが、投与濃度が一番高いグループよりも少し低いグループの方がより顕著だったことです。

ごくわずかな量でも影響が出て個体差があると言うことはネオニコと言う農薬がホルモンのような作用をすると言うことです。
従来の毒性学は量が増えればそれに比例して毒性も増えるとされていますが、内分泌錯乱物質にはこれは当てはまらないと言えます。

臓器の受容体にくっついて作用するホルモンは、ドアのカギ穴に差し込む鍵のようなものです。
ドアを開けるのに鍵は何個もいらなく一つで十分です。
環境ホルモンは合鍵として作用するので、ごく少量でも強い毒性を発揮してしまいます。

多くの人は環境ホルモンの問題は過去のことと思っているかもしれませんが、ネオニコの作用は環境ホルモンそのものと言え、希釈されても作用は弱まることがありません。
100万倍に希釈されても神経細胞のアセチルコリン受容体にくっついてしまえば作用をします。

無毒性量と言っても発達神経毒性や自己免疫疾患への安全栄は担保されているわけではありません。
私たちは、神経を流れている化学信号の伝達によって様々な行動を行うことができますが、ネオニコがくっついて神経伝達が狂ってしまったら何が起こるのか、世界中で大きな問題になっています。

少量だから安全は神話

メディカル

ネオニコが人間の脳に入ってホルモンのようにわずかな量でも作用すると言うことは、脳の神経伝達の要であるアセチルコリン受容体に取り付いて人間の認知機能に悪影響を及ぼしたり、子供の発達障害を招いたりする危険性があると言うことです。
少量だから安全と言うのは、もはや神話に過ぎないと言えます。

日本が定めているアセタミプリドの1日の摂取許容量は0.071mg/kgです。
EUは、2016年に0.025mg/kgと三分の一に引き下げました。

この数値になったのは、食品安全委員会の農薬評価書によるものです。
ラットを使って1年間の慢性毒性・発ガン性の合併試験のデータで、これを見てみると神経毒性試験の項目に肝細胞肥大、体重増加抑制と書いてあります。
7.1mg/kg以下ではこうした影響は出ておらず、これを無毒性量として安全係数の100分の1を掛けてこの数値になっています。

ですが、肝細胞肥大や体重増加は神経系の発達とは直接関係ない項目です。
今の農薬に設定されている残留基準値は、急性毒性や発がん性などのリスク評価には役立っても発達障害などに繋がる神経毒性の評価にはなりません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。