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減らすべきは糖質ではなく糖類!糖質と運動パフォーマンスの関係

糖類、糖質、炭水化物って何?

糖質制限と言う言葉だけが、独り歩きをして実際に行ったことがある人も多いと思います。
ご飯やパンなどの炭水化物を抜いてお菓子を食べる、違いはよく分かっていないけど糖質O〇%オフ、糖類ゼロなどの商品を選んでいると言う人も多いのではないでしょうか。

糖質制限はスポーツをしている人でも行ったことがある人も多いようです。
糖質制限をしたらマラソンの記録が伸びなくなったり、トレーニング後の疲労が取れなくなったと言う人も多くいることだと思います。

糖類、糖質、炭水化物、これらは同じ物と言う認識をされているように感じますが厳密に言うと違います。
こららの違いをしっかりと理解しているでしょうか。
違いをきちんと理解していれば、「糖は悪者」であると言う認識が変わるのではないでしょうか。

糖類とは単糖類や二糖類

糖類は、糖質の一部で、単糖類や二糖類のことでこれ以上加水分解できない分子量の小さい糖質のことです。
単糖類であるブドウ糖(グルコース)、果糖(フルクトース)、ガラクトース、二糖類である砂糖(ブドウ糖+果糖)、乳糖(ガラクトース+グルコース)、でんぷんを分解して作る果糖ブドウ糖液糖などがあります。

これらは素早く腸から吸収されますので運動後の糖質補給に優れています。
ですが、吸収が早いので血糖値が上昇しやすく依存性もあると言われていますので必要以上に摂り過ぎないようにすることが大切です。

糖質とは単糖類、二糖類、多糖類、糖アルコールなど

糖質には、糖類の他に米やイモなどに多く含まれる多糖類であるでんぷんとでんぷんの分解物であるマルトデキストリン、低カロリー甘味料として利用される糖アルコールなどがあります。

糖アルコールであるエリスリトールやキシリトールは、でんぷんとは異なり、腸で分解吸収されにくいです。
低カロリーで血糖値の急激な上昇がないので糖尿病患者の人でも利用ができるされています。

炭水化物とは糖質+食物繊維

糖質に食物繊維を含めた物の総称が炭水化物です。
炭素と水の化合物です。
WHO(世界保健機関)は、糖類の摂取量をできれば25g以下までに減らすように勧告をしています。
これはご飯を減らすのでなくて、ブドウ糖、砂糖(ショ糖)、果糖ブドウ糖液糖、はちみつなどの摂取を控えるようにしてねと言うことです。
決して炭水化物を制限するように言っているわけではありませんので注意しましょう。

糖類・糖質ゼロとオフ

糖類ゼロ、糖質オフなどの表示には一体どんな基準があるのでしょうか。
これらの表示は食品表示法で基準が決められているのですが、糖質オフは明確な基準が設けられていません。

比較する食品よりも糖質が少なくなっているのであれば、糖質○○%オフと表示が可能です。
もちろん科学的根拠があり販売者の責任で表示されているかと思いますので糖質は減っているかと思います。
どの商品と比較して糖質オフなのかは買う前にパッケージで確認をするとようにしてみましょう。

糖質ゼロの商品は、砂糖(ショ糖)などの糖類、糖アルコールなどの糖質も使われていません。
ですが、甘味をつける為にアスパルテーム、ステビアなどの非糖質系甘味料、人工甘味料が使われていることがあります。

糖類ゼロの商品は、砂糖やブドウ糖などの糖類は使われていませんが、エリスリトール、キシリトールなどの糖質(糖アルコール)は使われているので糖質ゼロとは表示されていません。

これらの商品は、カロリー自体は低くダイエット中でなくてもつい手に取ってしまいがちになるかと思います。
ですが、このような糖の長期的な摂取の安全性や効果については、まだ不明な点もあるのであまり摂り過ぎない方が良いかとは思います。

糖質ゼロ・オフの食品が必ずしも身体に良いとは言えません。
糖質が入っていないのに甘い物には気を付けた方が良いかとも思います。
栄養素はバランス良く摂取することを意識しましょう。

糖質制限とダイエット

ご飯を残すイメージ

糖質制限は根強いダイエット法かと思いますが、賛否両論ありどの方法が正解なのかはよく分かっていません。
個人的には、過度の糖質制限についてはおススメしません。
まず、減らすべきなのは糖類を控えるようにしましょう。

砂糖、果糖、果糖ブドウ糖液糖などの糖類です。
ジュースやお菓子だけでなく調味料の使い過ぎなど避けることができる糖類をなるべくカットするようにすると良いかと思います。

緩やかな方法ではありますが、これだけでもダイエットが可能になるでしょう。
さらに空腹時のイライラも解消されると思います。

もし炭水化物を摂り過ぎているのであれば、運動量、年齢、性別に合わせた適切な量になるように調整をするようにしましょう。

炭水化物を大幅に減らすと体内のグリコーゲン、水分が減って2~3kg体重は減るのでダイエットが成功したように感じると思います。
この時、体重は減っていますが、体脂肪はほとんど減っていないので注意しましょう。

この状態で糖質を摂るとグリコーゲンと水分が急激に回復するので体重が増えてリバウンドしたように見えますが。これが真の体重になります。

糖質制限をして目標体重に達成してもそれを長期間糖質を控えた食事を続けるのは非常に困難です。
大事なのは、食生活と体型、どちらもそこそこ納得のできる落としどころを見つけることではないでしょうか。

このくらいの食事制限でこれくらいの運動量だとこれくらいの体型なら、まぁいいかと思える生活習慣であれば無理なく長く継続できると思います。

運動パフォーマンスを高めるには糖質が必須

ダッシュ

運動する際は、一体どのようにして糖質を摂取すれば良いのでしょうか。
私たちの主なエネルギー源は糖質ですので、運動のパフォーマンスを高めたいのであれば、糖質は必須の栄養素になります。

食事から摂取した糖質は、グリコーゲンとして筋肉や肝臓に蓄えられます。
筋肉を動かす最も効率の良いエネルギー源が糖質なのです。

運動強度の高いトレーニングを行う為にも糖質を十分に摂取して筋肉内にグリコーゲンを満たしておくと良いです。
エネルギー源がしっかりとあれば、質の高いトレーニングを行うことができます。
そして、運動後は消費したグリコーゲンをしっかりと回復させ次回のトレーニングに備えておくことも重要と言えます。

運動前後の糖質の摂取は下記の通りです。

運動前の糖質摂取

2時間以上前
おにぎりやサンドイッチなど食事で摂取した糖質をグリコーゲンとして貯蔵できます。

60~90分前
固形やゼリータイプの糖質を摂取すると良いです。
運動を始める前に消化吸収ができて血糖値も通常の値に戻ります。

30~45分前
この時間に糖質を多く摂取してしまうと血糖値が高い状態で運動をすることになり、インスリンの作用に加えて運動によって筋肉へ糖質の取り込みが盛んになるので低血糖になってしまう可能性もあります。
少量の糖質を果物や飲み物から摂ると良いかと思います。

運動直前
インスリンが分泌される前に運動を始められるので、低血糖は起こりにくいですが固形物を食べてしまうと消化しにくくなってしまうのでゼリーや飲み物から糖質を摂取すると良いです。

運動後の糖質摂取

直後~30分以内
最もグリコーゲンを回復できる時間帯です。
吸収の良いゼリーや飲み物から適量の糖質を摂取すると良いです。

2時間後
同じ量の糖質を摂取しても運動後の50%程度しかグリコーゲンを回復させることができません。
グリコーゲンの急速回復が必要なのは、同日に試合やセッションが複数ある場合や24時間以内に同程度の運動をする場合のように素早くグリコーゲンを回復させる必要がある時だけです。
そうでなければ、時間をかけて糖質を摂取しても回復量に変化はありませんので食事からの糖質補給で十分かと思います。

また糖質とタンパク質を同時に摂取することでグリコーゲンの回復と筋肉合成の相乗効果を得ることができます。
市販のリカバリードリンクなどは糖質とタンパク質、ビタミン類を効果的に配合しているので活用するのも良いかと思います。

糖質は、タンパク質と脂質と違い体内で合成することができるので必須糖質と言う物はありません。
ですが、運動パフォーマンスの向上や効率的なエネルギー源として糖質は必須ですし、生きる為に必須の栄養素でもあるので体内で合成することもできるとも言えます。
摂り過ぎはもちろんいけませんが、過度に避けることはしないで運動やライフスタイルに合わせて上手く利用できるようにすると良いでしょう。