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トレーニング・フィットネス

トレーニング効果を高めるエキセントリックトレーニングについて簡単に説明

エキセントリック収縮とコンセントリック収縮

筋肉の収縮には、コンセントリック収縮とエキセントリック収縮があります。
コンセントリック収縮とは、筋肉が短くなりながら力を発揮することです。

例えば、ダンベルカール(腕の曲げ伸ばしをするトレーニング)でウエイトを上げる時の筋肉の動きがこれにあたります。
エキセントリック収縮とは、筋肉が長くなりながら力を発揮することです。
先ほどとは反対にウエイトを下ろす時の筋肉の動きがこれになります。
ウエイトを持ち上げる局面がコンセントリック収縮、下ろす局面がエキセントリック収縮になります。

ウエイトを持ち上げて下ろす一般的なトレーニングをアイソトニックトレーニングと言います。
姿勢を固定するなど筋肉の長さが変わらないで力を発揮するトレーニングをアイソメトリックトレーニングと言います。
空気イスや体幹を鍛えるプランクなどがあります。

多くの人は、持ち上げるコンセントリック収縮の方が筋肥大や筋力を高める効果が高いと考えられているかもしれません。
持ち上げる時の方が下ろす時よりもきついと感じるからです。

しかし、筋肥大や筋力増強にはコンセントリック収縮よりも重さを下ろす局面であるエキセントリック収縮の方が効果が高いと言えます。

エキセントリック収縮では、コンセントリック収縮よりも大きな負荷をかけることができます。
筋肉へのダメージで言えば、コンセントリック収縮よりも筋肉に微小な損傷を与えることができます。
筋肉痛になりやすいのはエキセントリック収縮の方になります。
筋肉痛の大小が筋肥大に関係するわけではありませんが、筋肥大には筋肉へのダメージも関係しているのでコンセントリック収縮よりも効果が高いと考えることができます。

エキセントリック収縮は、筋肥大や筋力増強を促す刺激となります。
これは、大きな負荷や微小な損傷によって、筋肉の修復や適応が促進されるからと考えられます。

また、エキセントリック収縮は、関節や靱帯の強化に寄与するとされています。
これは、伸びる方向に外力がかかることで、関節や靱帯にも負荷や刺激がかかり、その弾性や耐久性が向上するからです。

筋肥大や筋力向上を促進させるエキセントリック収縮は、運動パフォーマンスを向上させてくれます。
エキセントリック収縮をメインとした筋力トレーニングをエキセントリックトレーニングと呼びます。

エキセントリックトレーニング

背中のトレーニングをする男性

エキセントリック収縮では、大きな筋力を発揮することができ、筋肉への刺激が強いです。
エキセントリック収縮をメインに考えたトレーニング法がエキセントリックトレーニングです。
やり方は簡単で、ウエイトを下ろすトレーニングをするだけです。

エキセントリック収縮では、コンセントリック収縮よりも重い負荷を扱うことができるので、自力で持ち上げることができない負荷にすると良いです。
目安としてはコンセントリック収縮の120%程度となりますが、初めは軽いのから始めてエキセントリックトレーニングに慣れてから少しずつ重さを増やすようにしていきます。
ケガのリスクも高いのでいきなり重い負荷を扱わないようにしましょう。

やり方としては、ウエイトを上げるコンセントリック収縮の動きを補助者に手伝ってもらう、もしくは腕や脚なら反対側の腕や脚を使って上げます。
場合によっては反動を使って上げるのも方法の一つになります。
ウエイトを上げたら、下ろす局面のエキセントリック収縮の動きは自分で行います。
この時、下ろす速度はゆっくりとコントロールしながら下ろすことが重要なポイントです。
間違っても勢いよく下ろさないようにしましょう。
ウエイトをコントロールして下ろすのが難しい場合は、負荷が重すぎるので軽くしてコントロールできる負荷にして行います。

また、普段のウエイトでエキセントリックトレーニングを入れる方法としては、ウエイトを上げるコンセントリック収縮の動きを通常通り行い、下ろすエキセントリック収縮の動きを通常よりも長く行う方法があります。
もしくは、ウエイトが上がらなくなったら、補助してもらうか反動などを使って上げてゆっくりと下ろす、これを数回繰り返す方法もあります。
下ろす速度はゆっくりとコントロールして下ろしていきます。

これらは、エキセントリック収縮を強調したトレーニングになります。

エキセントリックトレーニングは、筋力トレーニングの効果を高めるのに有効は方法になりますが、関節にも大きな負荷がかかるので無理な負荷は扱わずに怪我に注意して行うようにしましょう。

エキセントリックトレーニングは回数や頻度には注意しよう

筋トレグッズ

エキセントリックトレーニングは、筋肉に大きな負荷や損傷を与えるので、オーバートレーニングや怪我のリスクが高まります。
疲れが残っていると感じている時は、無理に行わないようにしましょう。
回数や頻度は控えめにし、十分な休息や栄養補給を行いましょう。
筋肉に大きな損傷を与えるので、初めは筋肉痛が強く出るかもしれません。
しかし、行っていけば慣れてくるので筋肉痛も出にくくなっていきます。
筋肉の回復を図る為、トレーニング後にはストレッチやマッサージなどをすると良いかと思います。

エキセントリックトレーニングは、筋肉に大きな負荷や損傷を与えるので、筋肉だけでなく関節や靱帯にも負担がかかります。
重い負荷を扱うのでフォームの維持は難しいかもしれませんが、フォームにも気をつけてなるべく正確な動作で行うように意識をしましょう。

エキセントリック収縮は筋力トレーニングの効果を高めるだけでなく、運動能力やパフォーマンスも向上させる可能性があります。
トレーニング効果が出にくくなってきたと感じている人は、新しい刺激としてエキセントリックトレーニングを取り入れてみてはどうでしょうか。

しかし、過剰に行うと逆効果になることもあるので、行う場合は注意して行ってください。

エキセントリックトレーニングは、トレーニング経験の少ない初心者の人には、あまりおススメはしません。
重い負荷を扱うので、ケガのリスクが高くなるからです。
まずは、通常のトレーニングをして経験を積んでからエキセントリックトレーニングを取り入れるようにしていくと良いでしょう。