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ビタミンDは日本人の98%不足!個々のライフスタイルに合わせて調節が必要なビタミン

ビタミンDとは?日本人の98%が不足

ビタミンDは脂溶性ビタミンの一つで、健康を維持する為に必須の栄養素になります。
キノコ類に含まれるビタミンD2と動物性食品に含まれるビタミンD3があります。
どちらも体内で同じ程度の活性で働くことができます。

2023年に発表された論文によると日本人の98%が不足していることが分かったそうです。

https://medical-tribune.co.jp/news/2023/0609556932/

ビタミンDは食事から摂取する以外にも体内で合成することもでき、皮膚に紫外線を浴びることでビタミンD3が合成されます。
冬は日照時間が短く紫外線量も減少するので食事から積極的に摂取することが重要です。

また、日焼け止めや日傘の利用で十分な紫外線を浴びていない場合は、ビタミンDの合成がされなくなってしまいます。
紫外線は、シミ、シワ、皮膚ガンの原因になるとされていますが、過度に紫外線を避けることも身体にとっては良くないと言えます。
ビタミンDは、日照時間やライフスタイルに応じで食事からの摂取量を調整するのが理想かと思います。
摂取した、もしくは合成されたビタミンDは、まず肝臓、次に腎臓で代謝されて活性型ビタミンDになり、30にものぼる臓器で様々な働きをします。

カルシウム恒常性
小腸でカルシウムとリンの吸収を促して血中カルシウム濃度を一定に調節します。

細胞全般細胞周期をコントロールしたり細胞の増殖を抑えたりします。

免疫機能
自然免疫や獲得免疫など免疫機能を調整します。

膵臓
膵臓のβ細胞を刺激してインスリンの分泌を促します。

心臓や心血管
血液凝固や心臓の筋肉の機能を調整します。

筋肉
筋肉を正常に発達させ筋力を改善します。

ビタミンDには、カルシウムの吸収を促進させる働きがあるのはよく知られていますが、近年では様々な働きが明らかになっています。
感染症やガン、糖尿病などの疾患の発症や予防にも関わっていると考えられています。
また、筋力を維持する働きもあるのでフレイルやサルコペニアの予防にも注目されているようです。

ビタミンDの摂取目安量

統計データイメージ

日本人の食事摂取基準に定められたビタミンDの目安量は2015年では1日あたり5.5㎍に設定されていました。
しかし、日本だけでなく世界中でビタミンD不足、欠乏者が増加していることを考慮し2020年版では、骨折予防に必要な量から日照による体内での生産量を差し引いた8.5㎍に増やされました。
ビタミンDは、脂溶性ビタミンなので体内に貯蔵しておくことができますので、毎日必要量を摂取しなくても数日間で平均して充足していれば問題はありません。
食事からの摂取量を考える場合、ビタミンD2とビタミンD3を区別する必要はなく、合計量を考えましょう。

ビタミンD3を多く含む食品はサケです。
一切れ、約80gで25.6㎍摂取でき、1日に必要な量の3倍を摂ることができます。
実際に日本人のビタミンD摂取量の80%は魚介類に由来しています。

ビタミンD2は、キノコ類に多く含まれています。
特にシイタケに豊富に含まれています。
シイタケ2個、約50gで0.2㎍、乾燥シイタケ2個、約8gで1.4㎍含まれています。
シイタケは干すことによってビタミンDの量が増えるので天日干ししてから食べるのもおススメです。

卵1個で約2.3㎍のビタミンDが含まれていますが、卵白ではなく卵黄に含まれています。

ビタミンDは体内に蓄えておくことができるので、3日に1回程度サケを一切れ食べるくらいでも良いとされています。

なぜ不足しやすい?ビタミンDと紫外線

白衣を着ている男性困る

ビタミンD は体内で合成することができますが、日本人のビタミンD不足が問題になっています。
体内での合成量を左右させる要素として、季節、緯度、肌のタイプ、日焼け止め、野外活動時間などがあります。
日本人のビタミンDがこれほど不足している理由は下記のようなことが考えられます。

・野外での活動が減り、日光を浴びる時間が少なくなった
・日焼け止めや日傘の利用で紫外線を浴びなくなった
・魚やキノコ類を食べなくなった

食事からの摂取量、体内での合成量のどちらも減ってしまった為、多くの日本人でビタミンDが不足してしまったのです。
体内での合成量は、紫外線の強さによって変わるので季節や緯度によって変わります。
よく晴れた日に両手の甲と顔に日光を当てた場合、ビタミンD3を5.5㎍合成する為に必要な時間は夏場であれば、どこの都市でもだいたい10分程度あれば合成できます。
しかし、冬の札幌では紫外線が弱いので体内でほとんど合成することができません。
ですので、季節によって食事から摂取する量を変えると良いでしょう。
例えば、北の地方に住んでいる人は、冬の間は食事からの摂取量を増やすなどです。

また、日照時間が少ない、日焼け止めを利用している場合も食事からの摂取量を増やすように意識をしましょう。
どうしても不足してしまうようであれば、サプリメントを使うのも一つの手ではあります。
サプリメントを使う場合は、ビタミンDの耐用上限量である100㎍を超えないように注意しながら利用しましょう。
紫外線による体内合成量は調整されます。
必要以上のビタミンDは合成されませんので、紫外線による過剰症は起こりません。

ビタミンDは、個々のライフスタイルによって摂取量を調節するビタミンになるので、自分ライフスタイルに合わせて過不足がないようにしていきましょう。