ウォーミングアップとクーリングダウンの意味とは?|運動前には動的ストレッチ
運動前の静的ストレッチはリスクもある?
運動前を含めて静的ストレッチが万能という習慣がまだ残っているのではないでしょうか。
実は、運動前の静的ストレッチはウォーミングアップに適してはいません。
静的ストレッチとは、筋肉を伸ばしキープするストレッチです。
これは多くの人が認識しているストレッチで、一般的なストレッチになるかと思います。
ウォーミングアップの大きな目的は、体温、筋温、そして代謝を上げることがあります。
静的ストレッチは動きを止めてしまうので筋温の上昇を促すのは難しいですし、筋肉も緩んでしまいます。
ウォーミングアップには、ジョギング、動的ストレッチ、ランニング、アジリティ、パワー系のエクササイズなどによって徐々に運動に向けて筋温を上げることが大切になります。
筋肉の中には、これ以上筋繊維が引き伸ばされると危ないと感知器官である筋紡錘があります。
筋紡錘が感知すると引き伸ばされた筋肉が収縮します。
これを伸張反射といい、この筋収縮には強い力が伴います。
この伸張反射を用いて力強いパワー発揮することをストレッチショートニングサイクル(SSC)と言います。
静的ストレッチは、筋紡錘の感知機能を鈍らせて伸張反射が起こりづらくなります。
なのでパフォーマンスの低下に繋がってしまいます。
静的ストレッチは、リラックス効果があるので運動後やお風呂上りの寝る前に行うと良いでしょう。
ウォーミングアップに適したストレッチは静的ストレッチではなく、動的ストレッチや軽い有酸素運動などで体温、筋温を高めることができる方法が適しています。
運動前に静的ストレッチを行う場合は、やり過ぎないようにしましょう。
ストレッチの効果は、より長く時間をかけて伸ばすとより効果的とされています。
あまりにも時間をかけて伸ばし過ぎてしまうと、筋紡錘の感知が低下し、筋肉も緩んでしまい、力を発揮しにくくなります。
目安としては、10~20秒程度でのストレッチであればそれほど問題はないかと思います。
ウォーミングアップとして、どうしても静的ストレッチを行いたい場合は、10~20秒程度のストレッチにしてみましょう。
動的ストレッチで筋肉の準備ができる
動的ストレッチは、積極的に身体を動かして体温を上げる、関節の柔軟性を高める、運動に向けて徐々に心拍数を上げていくなどが目的になります。
動的ストレッチとしては、股関節を大きく回すなどがあります。
関節可動域全域を動かして、可動域を広げていくのが動的ストレッチになります。
もちろん静的ストレッチがダメと言うわけではありません。
ウォーミングアップの時間が十分に取れるのであれば、軽い静的ストレッチをした後に動的ストレッチを行えば良いかと思います。
ウォーミングアップの時間があまり取れないのであれば、動的ストレッチで少しずつ可動域を広げていくほうがケガのリスクを減らすという点で安全でパフォーマンスも高まるかと思います。
また、ウォーミングアップには肝臓の代謝機能を上げる目的もあります。
身体を動かすと筋肉から老廃物が出てきますが、それを分解して排泄する役割を担っているのが肝臓になります。
肝臓としても準備ができていないのに老廃物が大量に送られてきても困ってしまうので、臓器に語りかけるという意味でもウォーミングアップは重要と言えます。
ウォーミングアップは、20分くらい時間をかけて行うと良いかと思います。
クールダウンで徐々に体温を下げていこう
クールダウンは、運動によって上がった呼吸や心臓などの循環系への負担を徐々に下げるのが目的になります。
軽いジョギングや動的ストレッチで呼吸を整えたり、静的ストレッチで硬くなった筋肉をほぐしたりします。
クーリングダウンは、少しずつ体温を下げていくことが重要となります。
まずは、軽いジョギングやウォーキング、動的ストレッチなどで呼吸を整えていきます。
そして、静的ストレッチで硬くなった筋肉を伸ばしてほぐしていくようにすると良いかと思います。
運動後は、静的ストレッチを入念に行いましょう。
クーリングダウンをすることで副交感神経を優位にしていきます。
すると胃腸の働きが亢進して栄養補給がよくなり、組織修復の改善、睡眠の向上も見られて身体全体がリラクゼーションへ向かっていきます。
身体のバイオリズムを作る為にもウォーミングアップとクーリングダウンが非常に大事と言えます。