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健康診断を受けるメリットはない!?自覚症状がなければ受けなくて良い

健康診断を受けるメリットがない

健康診断は、自分の健康状態を確認して病気を予防する為に行われています。
ですが、健康診断のメリットはほとんどありません。

2019年に過去のデータを全てまとめた論文が発表されました。
その中で、健康診断を行った人と行わなかった人で病気による死亡率に差がつくのかどうか検証しています。
論文には、全体的な健康チェックが有益である可能性は低いと記されています。
この結論は、健康診断をした結果、ガンによる死亡率、心筋梗塞や脳卒中による死亡率が下がっていないというエビデンスに基づいているようです。

健康診断で治療ができる病気が都合よく見つかる可能性は極めて低いです。
中には自覚症状がない時に知らずに病気が進行して手遅れになってしまうのではないかと心配して健康診断を受ける人もいるかと思います。

しかし、このような怖い病気は希でそれほど多くはありません。
そもそも早期発見と早期治療によって治療効果が高くなる病気はごく一部でしかありません。
ほとんどの病気は、早期発見しても結果は変わらないのです。

そして、知っておきたいことが検査による害です。
レントゲンによる放射線被ばくによって発ガンしたり内視鏡を挿入した時に身体のどこかが傷ついてしまうかもしれません。
こうした危険性も稀ではありますがゼロではありません。
注意しなくてはいけないのが異常が見つかったあといわゆる過剰診断の問題です。
それまで問題なく生活していたのに健康診断で異常が見つかり手術をしたものの合併症で感染症に罹ったり、患部の周囲を傷つけて機能障害を負ってしまうケースもあります。

例えば、前立腺ガンの手術を受けて排尿機能や勃起機能に関わる神経が傷ついてしまい機能障害が残ってしまう場合もあります。
結果的に前立腺ガンから命を救われた人もいる半面で放っておいても悪さをしないガンを切ったことで障害を負ってしまう人もいるのです。
放っておいても問題がない病気もたくさんあるのですが、病気を見つけたら治療したくなってしまうので調べないほうがいい場合も多いと言えます。

また、過剰健診での問題は心理面以外にも社会的な影響があります。
健康状態の欄に数年前にガンと診断されて経過観察中と記されていたらどうでしょうか。
健康不安があるのであれば、採用を見送ろうと考える会社もあるのではないでしょうか。
もちろん病歴で不採用にするのは違法ではありますが、どこでバイアスがかかるか分かりません。
これと同じことが結婚でも起こる可能性がありますし、保険に加入できなくなるかもしれません。

自覚症状がない人にとって健康診断を受けるメリットは本当にあるのでしょうか。

健康診断よりハイリスクな人間ドック

一般的な健康診断がほとんど効果がないのは見つけなくてもいいものを探しているからです。
人間ドックによって検査を付け加えてもさらにムダが増えてしまいます。

ワンコイン検診も考え方がおかしいです。
ワンコインで気軽に受けることができるというのかワンコイン検診のウリかと思うのですが、少し考えてみましょう。

自覚症状がないのになぜ健診を受ける必要があるのでしょうか。

目的がないのに検査を受けてどうしたいのでしょうか。

現在の健康状態の確認の為にワンコイン検診を受ける人がいるかもしれませんが、今現在生活に不自由を感じていなければそれが健康の定義です。

メタボ健診を寿命は延びない

メディカル

メタボ健診は、08年から始まりましたがこれもリスクがあります。
メタボ健診は、みんなが痩せれば病気が予防されて医療費が削減できるという考えで推奨されているかと思います。

しかし、これは完全に間違った考え方に基づく自業自得論と言えます。
なぜなら、好きな物を食べて太っても個人の自由であるという倫理的な問題がありますし、社会全体の医療費削減の為とは言え太っている人ばかりに痩せさせる努力を強いるのは不公平ではないでしょうか。
さらには、メタボ健診に寿命を延ばす効果があるわけではありません。
確かにメタボリック症候群と呼ばれる太った人に心血管疾患が多いのは事実ですが、メタボとは一体何なのかということです。
体重の指標として用いられるBMIによると様々な研究から25前後が長生きをする値とされています。

しかし、メタボは体重過多とは異なりますし、高血圧でも高コレステロール血症でも糖尿病でもありません。
どの病名にも当てはまらないけど、どれも少しずつ数値が悪い状態をメタボと呼んでいるに過ぎません。
病気でもないにも関わらずメタボ健診で異常が見つかった場合、特定保健指導を受けて生活習慣を見直せと言われます。

メタボ健診に効果がないにも関わらずこれだけ健康診断が行われていると監視医学の問題に繋がります。
実際に拘束されたり誰かに監視されたりされるわけではありませんが、検査結果を突き付けられると自分の生活がいつも見張られているような気持になったりしませんか。

食事の量を減らしたり、禁煙したり好きでもない運動をしないといけないと思い込んでしまうのではないでしょうか。

では、なぜ効果がないのに厚生労働省は健康診断を推奨するのでしょうか。

職場健診の根拠法令は、労働安全衛生法ですが、問題はそれが工業化を進めた時代に定められた法律だということです。
粉塵を吸い込む炭鉱労働者や熱い蒸気が噴き出す機械を操作する技師らの症状を見つける為に健康診断が行われました。
昔は、危険な労働環境が数多くありましたが現代では改善されました。
特にデスクワークを行う人まで健康診断を受ける意味はないのではないでしょうか。
完全に時代遅れなのではないでしょうか。

自覚症状が無い人にとって健康診断は意味がありませんが、身体に何らかの異変を覚えた人にとっては意味があります。
自覚症状がある人とない人とでは事前確率が数十倍、数百倍も変わってきます。
検査をする前から病気の確率が高いと分かっている人であれば、検査の陽性、陰性で分けることに意味があります。

人間は、具合が悪くなれば異変を感じます。
ケガをすれば痛みますし、ばい菌が入れば熱が出ますし毒物を飲めば吐き気をもよおし、酸素が足りなければ息が荒くなります。 
身体に異変を感じてから医師の診断を受けても遅くはありません。

健康診断を受ける意味を今一度考えてみてはどうでしょうか。

参考雑誌⇒PRESIDENT 健康診断のウラ側