健康情報館

ヘルス&フィットネス~日々の健康・身体作りに役立つ知っておきたいこと~

健康情報館
トレーニング・フィットネス健康

プロテインは身体に悪いのか?プロテインブームの裏で腎臓病患者が急増している!?

腎臓病患者が急増している

近年では手軽に運動ができるフィットネスジムが増えてきました。
運動習慣は、身体にとって良いので運動をする場所が増えたことは良いことかと思います。

しかし、注意してほしいこともあります。
それは安易にプロテインを飲むことです。
トレーニングをしてプロテインを飲めば、健康にも良く身体が変わると思い込んでいる人も多いのではないでしょうか。
もちろん、必要な量のタンパク質を摂取する必要がありますが、プロテインを飲むことで健康を害してしまうかもしれません。
プロテインを飲むことでもしかしたら腎機能障害を引き起こしてしまうかもしれないのです。

実は、慢性腎臓病の患者は増加傾向にあるようです。
2011年に国内で1330万人と報告されていた患者数が2000年には2100万人になりました。
10年程度で700万人以上も増えています。
腎臓病患者が増えた要因は様々考えることができるので一概には言えません。

しかし、この10年で大きく変わったことの一つにプロテインがあるのではないでしょうか。
それまでであれば、プロテインと言えばアスリートやボディビルダーなど一部の人に限られていましたが、近年ではプロテインバーやプロテインゼリー、紙パックの飲料などがコンビニやスーパーなどで手軽に誰でも買うことができるようになりました。
トレーニングをしていなくても健康に良い気がして食事代わりに買う人もいると思います。

プロテイン市場もここ10年で伸びています。
富士経済の調べによると、プロテインなどのタンパク質補給食品の国内市場は13年に623憶円でしたが、23年は2580憶円の見込みになり10年で4倍以上に市場が大きくなっています。
腎臓病患者が増えた裏でプロテイン市場の拡大があるのです。

もちろん、これだけでプロテインが原因とは言えませんが、全く関係がないとも言い切れないのではないでしょうか。

プロテインは身体に毒になるのかもしれない

頭を抱えて落ち込む女性

タンパク質は体内に入ると分解されてアミノ酸になります。
人体の中にあるアミノ酸はアミノ酸プールというシステムによって一定量に保たれています。
しかし、プロテインを摂取するとこのシステムのバランスが乱れてしまい腎臓に負担をかけてしまいます。
アミノ酸プールに入るアミノ酸は下記の3つの経路で生成されます。

  1. 筋肉などの身体のタンパク質が分解されることによってもたらされるアミノ酸
  2. 食事から摂取したタンパク質が由来のアミノ酸
  3. 身体の中で作られるアミノ酸

このうち1は、1日に約400gのタンパク質が使われます。
これは運動をしていなくても同じとされています。

その一方でアミノ酸の消費経路も3つあります。

  1. 身体のタンパク質を合成する
  2. 過剰なアミノ酸を尿素、窒素などに変えて尿から排出する
  3. ブドウ糖や脂肪を合成する

生成経路で使った筋肉のタンパク質は消費経路の1で再合成されるので筋肉には影響がありません。
注目するのは消費経路の2です。
生成経路の3つで作ったアミノ酸が過剰になって消費経路の1と3だけで対応できない時は2の消費経路で体外に排出します。

タンパク質の1日の摂取量は体重1kgあたり1g程度とされていますが、一般的な食事をしていれば十分に摂ることができます。
プラスしてプロテインを摂取してしまうと過剰になり消費経路2の働きが続くことで腎臓が疲弊してしまうと考えることができます。
このような状態が長期に渡って続くことで腎機能低下に繋がってしまいます。
過剰ろ過による腎機能障害が起きて慢性腎臓病になってしまうのです。

過剰摂取と早く吸収されるプロテインが問題

プロテインを飲む男女

プロテインを摂取しても適切な量であれば、健康な人なら問題はないかと思います。
過剰にタンパク質を摂取すればその分、腎臓が働くことになるので過剰摂取に気を付ける必要はあります。
適切な量は、運動量や個人差にもよるかと思いますが、体重1kgあたり2gを上限に考えてみましょう。
タンパク質は摂取量を増やしても体内のタンパク質合成量は頭落ちしてしまうので2gよりたくさん摂っても無駄になってしまう可能性が高いからです。

そして、プロテインの問題は吸収の早さです。
通常の食材でタンパク質を摂ろうと思うと肉や魚などになりますが、胃で消化されるまで4~5時間程度かかります。
食事でアミノ酸が過剰に生成されても吸収が遅いので腎臓ではゆっくりとろ過されていきます。
これに対してプロテイン食品、飲料は胃から小腸に進んで素早く吸収されるので腎臓にも負担をかけてしまいます。
同じタンパク質の含有量でも肉や魚ではなく、プロテインで摂取すると腎臓負担をかけてしまいます。

タンパク質は、肉や魚、卵、豆腐、納豆などで摂取するのが望ましいです。
過剰摂取で腎機能低下を引き起こす原因は動物性タンパク質とされています。

その一方でイソフラボンやフィトケミカルが含まれている植物性タンパク質は、腎機能に良いという研究が報告されているようです。
どうしてもプロテインでタンパク質を補いたいのであればソイプロテインなどの植物性のものを選ぶようにすると良いのかもしれません。

また、プロテインはあくまで足りないタンパク質を補うものです。
食事で足りているのであれば、プロテインを摂る必要はありません。
アスリートなど日々ハードトレーニングをしている人であれば変わってきたりもしますが、一般の人が健康の為にトレーニングをする程度であれば必要ないと思います。
プロテインではなく、肉や魚、大豆、卵など食事でしっかりとタンパク質を意識するようにすることが大切です。

参考雑誌⇒PRESIDENT 間違いだらけの老化の常識