糖尿病学会のガイドラインは脂質の中身を無視、糖質制限食だけでは不十分

糖尿病学会や国の食事療法で糖尿病が急増

糖質の摂取量は減っているのに糖尿病は急増している

糖尿病の真犯人は脂質

糖尿病予備軍と呼ばれる人、糖尿病と診断された人達に指導される食事療法のうち、もっとも広く普及しているのは日本糖尿病学会の糖尿病診療ガイドラインによるものかと思います。
このガイドラインでは、バランスのとれた食品構成でエネルギー過剰にならないように指導をしています。
そして、成人の総摂取エネルギーのうち50~60%を糖質、脂質は25%以下に抑える、タンパク質は成人で50~80gを摂取することを推奨しています。

ですが、日本人の栄養素摂取量は、この範囲に収まっています。
極端な偏食をしていない限り、私たちが平均的な食事をしていれば日本糖尿病学会が推奨する食事療法を自然と実行していることになるのです。
つまり、糖尿病予備軍の人もこれまでと同じ食事をしてかまわないと言うことになります。
これでは糖尿病が減らないのではないでしょうか。

また、摂取エネルギーを個人の活動量に応じて推奨する範囲に収めながら食品をバランス良く摂る為に食品交換表と言うものが活用されます。
それを基に栄養士が食事指導をすることが多いようです。

食品交換表は、主に栄養素によって4群6種のグループに食品を分け、同じグループ内の食品ならエネルギー量と栄養素の種類が同じと考え、どれを摂っても良いとしています。

炭水化物を含む食品(i穀物やイモなどii果物)
タンパク質を含む食品(iii魚介・肉・卵・チーズ・大豆類・iv牛乳・乳製品)
脂質を含む食品(v油脂など)
ビタミン・ミネラルを含む食品(vi野菜など)
および調味料・加工品に分類されています。

ですが、例えば、iで言うと飯やイモと果物類のバランスが変わっても食事のバランスに影響がないとは考えにくいでしょう。
iiiで言えば、魚介でなく肉を摂っても食事のバランスが果たして本当に変わらないのでしょうか。

糖尿病学会のガイドラインは脂質の中身を無視している

白衣を着ている男性困る

糖尿病学会のガイドラインでは、脂質の内容に関して何も考慮されていません。
脂質の摂取について推奨している内容が明らかに危険ではないのでしょうか。

脂質は、脂肪酸の構成によって性質が全く変わってきます。
例えば、リノール酸が多い大豆油とαリノレン酸が多いエゴマ油では、身体への働きが正反対と言っていいほど違います。

ガイドラインが脂質の摂取量を25%以下にすることを勧めていますが、多くの場合、半世紀前から続く古い目標に従い、動物性脂肪を優先的に減らして植物油脂を増やそうとするのではないでしょうか。
その結果、糖尿病が悪化することはあって改善に進むとは考えにくいのです。
それでも、植物油脂が健康に良いと言うイメージはそう簡単に消えそうにないでしょう。

また、油脂は動物性の物も植物由来の物も10gで90kvalですが、動物性脂肪の方が植物油脂よりもエネルギーが高いと思い込んでいる人も多くいるようです。

摂取カロリーの制限があり、脂質の摂取はそのうち25%以下にどんなやり方でもいいから抑えなさいと言われたら、カロリーが高そうな動物性脂肪を植物油脂よりも優先して減らす人が多いのではないでしょうか。

そして、危険なのが糖尿病の合併症に関することです。
血管系の合併症を予防する為に、日本糖尿病学会では「飽和脂肪酸やコレステロールの摂取を控える」としていますが、飽和脂肪酸もコレステロールも冠動脈疾患など動脈硬化が招く疾患の原因になりません。

飽和脂肪酸やコレステロールの摂取が少ないほど動脈硬化による心臓・脳の疾患リスクが減ると言う科学的根拠はないのです。
それどころかコレステロールや動物性脂肪は、脳卒中を防ぐ因子になります。

日本では戦後、特に東北地方で脳卒中の死亡率が高かったのはよく知られています。
ですが、小町喜男氏らの研究によって、その原因は動物性食品の摂取が少なかったことにあることが明らかにされました。

これは1970年代の研究になります。
以降、数々の研究によって飽和脂肪酸とコレステロールが脳卒中の防御因子であることが証明されています。
むしろ多く摂取している群の方が脳卒中の死亡率が低いのです。

糖質制限、地中海食、脂質制限

これまでの食事をどう変えたらいいのかよくわからない、食品交換表は使い方が難しい、三大栄養素の脂質の摂取基準が怪しい、と言う日本の標準的な食事指導に比べて次の食事法は効果はともかくとして内容が明快です。

糖質制限

糖質制限食は、食事での糖質の制限を目指します。
糖質は、タンパク質と脂質と違い食事で摂らないといけない必須栄養素と言うわけではありません。
どれだけ制限しても体内で合成することができるので欠乏症になると言うことはまずないでしょう。
ですが、最近の研究によると極端に糖質を制限すると腸内細菌叢(腸内フローラ)に影響を与えてしまうことが報告されています。

この食事法の良いところは、普段の食事で何を制限したらいいのか非常に分かりやすいことです。
糖質を多く含む食品と言うと、穀類、イモ類、調味料なら砂糖、みりんなど誰でもすぐに分かる物ばかりです。
とても分かりやすいので実践しやすい方法とも言えますが、糖質を摂らなくなると必然的にタンパク質と脂質を多く摂取することになります。

そして、植物油脂を推奨していることも問題です。
推奨する料理例を見る限り、オリーブオイルだったり、カノーラ油だったり、マヨネーズ類を頻繁に使っていたりします。
実は、これらの植物油脂の摂取増が糖尿病を発症させる原因である言えます。

地中海食事法

糖尿病の主な合併症である心疾患が地中海地方では少ないと言うことから発展した食事療法です。
オリーブオイルの多量摂取を勧めています。
また、一般的にどのような食事が地中海食であるか定義が明確ではありません。

脂質制限法

米国心臓協会が推奨する、飽和脂肪酸とコレステロールを主に制限する食事法です。
分かりやすく実践しやすい方法です。
ですが、この方法は動脈硬化による合併症を増やして総死亡率を高めてしまうので間違った方法と言えます。

脂質制限が最も長続きしやすい

これらの食事法は、かなりの厳しいカロリー制限をしています。
推奨しているエネルギー摂取量は、脳や内臓を働かせたり呼吸したりと生きていく上で最低限必要なエネルギー量である基礎代謝量に近いです。

カロリー制限をしていないと誤解されることが多い糖質制限でさえも体重を減らすように指示をされます。
糖質を除いて、タンパク質、脂質の割合は何でも良いから摂取カロリーを制限しなさいとしています。

イスラエルの医療クリニック研究所の職員で年齢40~65歳、BMI27以上か、あるいは糖尿病の人を対象に2年間の生活習慣指導の結果を調べてまとめたデータがあります。
このデータによる継続率は、大きな問題がある脂肪制限法が長続きしています。
継続しやすい理由としては、制限する食品の種類が分かりやすいことでしょう。

それに加えて飽和脂肪酸・コレステロールのネガティブキャンペーンによって制限食品の摂取に罪悪感が植え付けられているのもあるのではないでしょうか。

どの食事法をでもエネルギーバランスが良ければ効果は出る

女性ストレッチ

イスラエルの研究は、これらの食事法をした結果、栄養素の摂取量がどのように変化したのかについても発表しています。

・どの食事法をしても結果的に摂取エネルギーが減っているがどれも大差はない。
・糖質の摂取は、糖質制限食グループが必然的にもっとも減っている。
・タンパク質、脂質、飽和脂肪酸のエネルギー%は、糖質制限グループが多い。
・飽和脂肪酸とコレステロールの摂取量は、糖質制限グループだけ減っている。
・食物繊維は、地中海食グループは減って糖質制限グループでは著しく増えている

このように栄養素の摂取量が変化したことによって糖尿病はどのように改善、もしくは悪化したのでしょうか。
研究結果から主に次のようなことを読み取ることができます。

糖質制限食が最も効果的に空腹時の血糖値、インスリンの分泌レベル、インスリン抵抗性の指標を改善している。
体重が最も減りやすいのは糖質制限。
糖尿病が軽度の段階で分泌されるアディポネクチンは、糖質制限食が他の食事法よりも分泌レベルが高い。
脂肪細胞から分泌される食欲を抑えるように脳に働きかけるホルモン、レプチンのレベルは地中海食グループが少し高い。

また、感染・炎症の指標となるタンパクは、糖質制限食で少し成績が良いようです。
そして、どの食事法でもLDLコレステロールは減り、HDLコレステロールは増えました。
ただし、このことが糖尿病の改善や冠動脈疾患などの合併症の減少に繋がることはありません。

糖尿病指標の変化を見ると糖質制限食の成績が良いようですが、他の二つの食事法もそれなりに有効であることが分かります。

食事での摂取カロリーを基礎代謝量や活動で使う消費カロリーよりも少なく保つエネルギーのバランスが重要になると言うことです。
摂取エネルギーよりも消費エネルギーが多くなるようにすれば、糖尿病の指標は良くなると言えそうです。

糖質制限食では糖質を減らすことによって、地中海食ではカロリーの少ない鶏肉や魚介類を中心に食事をすることによって、脂質制限食ではカロリーの高い飽和脂肪酸・コレステロールを含む食品を制限することによってトータルの摂取エネルギーを抑えています。

これらの食事法では植物油脂の摂取量を減らすことを勧めてはいません。
おそらく植物油脂の摂取量を増やすことになってしまうのではないでしょうか。
長期的に見れば、それが問題になってきて糖尿病の発症に繋がってくるのかもしれません。

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